世界陸上2015会場の『鳥の巣』スタジアムPM2.5の影響 後編

PM2.5の影響とは実際にどのようなものなのでしょうか？後編です。

前編をご覧になっていない方はこちら

喫煙席と禁煙席のPM2.5の濃度は？

出典：ワッカチッタ

とある実験を紹介します。

自動ドアで喫煙席が仕切られた喫茶店で、喫煙席と禁煙席のPM2.5を測定してみました。

喫煙席では700µg/㎥ほどでした。この濃度は、北京でも最も濃度が高い日と同じレベルです。

また、禁煙席でも、環境基準の2倍、70µg/㎥を超える状況もありました。

喫煙者が出入りする際に、タバコの煙が禁煙席に漏れ出るので、禁煙席でも外出を自粛するレベルになるのです。

出典：すぐ禁煙.jp

一般的な喫煙席は換気扇や空気清浄機が設置されています。それでも700µg/㎥と高い数値になっています。

更に驚くべきは喫煙席のPM2.5濃度が北京での最も濃度が高い日と同じということと、それが日本の環境省による健康を保護する基準値の20倍以上ということです。

北京市内のPM2.5濃度

出典：Hazard lab

本サイトで記事投稿時前後に調べた数値では、2015年6月5日(金)～6日(土)の2日間でPM2.5の濃度の最大値は179、最小値は53でした。その前後でもほぼ毎日、最大値は150を超えていました。

これは米国環境保護庁が定めた大気質指数からすると【軽度汚染】で長時間または激しい屋外活動を減らす程度ですが、日本の地方自治体などが外出自粛などの注意喚起をする目安の倍以上の数値になります。

このままでは選手のコンディションはもちろん、世界中から集まる観客の健康に悪影響を及ぼすことは間違いありません。2016年にリオデジャネイロ五輪を控える選手としての立場は難しい立ち位置にあります。

以前、中国では北京オリンピック・パラリンピックやAPECの開催に合わせて、強制的に大気の改善をさせるため、大企業や工場などの操業停止、北京市政府による大型連休で大気汚染を一時的に改善させました。

こうした改善策を世界陸上開催時にも実施し、選手にはいい環境で最高のパフォーマンスを披露してほしいと願います。

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